今年の確定申告シーズンも終わりましたね。医師のみなさまはきっちり準備をして早めに終わられていたことと思います。楽しい仕事ではありませんが、どうせやらなければならないことですので、さっさと済ませてしまうのが一番です。
ところで、確定申告にあたって「財産債務明細書」というものがあるのをご存じでしょうか?これは、年間所得が2千万円を越える方のみに提出義務がある書類なのですが、毎年12月31日時点で所有する財産と債務の種類、数量、価額を書いて税務署に提出しなければならない、というものです。
隠すつもりはなくても、あえて自分の財産を事細かに書き出して税務署に提出するというのは気持ちの良いことではありません。「義務」とはいえ罰則規定がないため、対象となっている方でもあえて提出しない、または適当に書いて出しているというケースが少なくありませんでした。
平成27年度税制改正では、この「財産債務明細書」が「財産債務調書」にグレードアップ(?)されました。対象者は絞り込まれ、年間所得2千万円を越える方のうち、
・年末に保有する総資産が3億円以上
・年末に保有する有価証券等が1億円以上
のいずれかに該当する方と、さらに限定的になりました。
しかし、対象者の方は、財産の種類、数量、価額だけでなく、財産の所在や有価証券の銘柄など、かなり細かく調書に記載することが求められます。
しかも「明細書」のときのように、提出しなかったり適当に書いていたりすると、将来の所得税または相続税の調査時に不利な取り扱いを受ける可能性があります。ですから、今後は適当に書いておくというわけにもいかなくなります。
この「財産債務調書」は平成28年1月1日以後の提出分からの適用になります。今後詳細が明らかになってきますので、上記条件に該当される方はご注意ください。
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昭和44年11月29日生。大阪府堺市出身。神戸市外国語大学中国学科を卒業後、特殊鋼の専門商社に入社する。そこで香港現地法人立ち上げに関わった経験から中小企業の財務会計に興味を持ち税理士資格取得を志す。その後会計事務所勤務を経て平成20年4月に酒井税理士事務所を開業する。“税に関する情報をわかりやすい言葉でお伝えします!"をモットーに、情報を必要とする方に有益な情報を届けることに注力し、現在では多数メディアにも掲載され活躍されておられます。