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扶養親族が40人!?海外親族の扶養控除について

11月ももうすぐ終わりですね。年末調整や確定申告などという文字がそろそろ頭にちらつき始めるのもこの時期から。今回はそんな税の季節を迎えるにあたり、ちょっと変わった新聞記事を見かけましたのでご紹介したいと思います。

一緒に住んでいなくても扶養控除は受けられる?

扶養控除についてはみなさまもご存じのことと思います。ざっくり言うと、自分の稼ぎで養っている親族がいる場合に受けることができる控除なのですが、同居していない親族についても控除を受けられるというのはご存じでしょうか?

まあ、当たり前といえば当たり前なのですが、単身赴任で別居しているとか、子どもが大学に入ったので東京で一人暮らしをしているなどの事情で一緒に暮らすことができない場合もありますよね。そのような場合を想定して「休みはいつも帰郷して家族と一緒に過ごしています」とか「常に生活費や学費などを送金しています」というような場合には扶養控除を受けることができるようになっています。

外国人でも扶養親族?

ではここでちょっとしたクイズを出します。私が外国人と結婚したとします。彼女には兄弟や両親、叔父や叔母まで合わせると全部で10人の親族がいます。みんな彼女の出身国で生活しているのですが、貧しい国なので仕事もなく収入もほとんどありません。

そこで、私が彼女の家族に毎月仕送りをして生活を援助しています。といっても月に5万円だけなのですが、それでも10人がなんとか生活していけているようです。日本だと子ども一人に対する仕送り額にも満たない金額ですが、この5万円で私は妻の親族10人を養っているのですから、10人分の扶養控除を受けられますよね?

解答です。この内容が事実であれば、私は10人分の扶養控除を受けることができます。

扶養控除の対象となるのは「6親等内の血族及び3親等内の姻族」と定められています。姻族とは配偶者の血族のこと。3親等内ということは叔父、叔母までが対象になります。外国人であっても親族であることに変わりはありません。対象となる親族に所得がなく、自分が生活費を送金して養っているのであれば扶養控除を受けることができるのです。

この例だと月5万円ですから年間の支払は60万円。それに対して10人分の扶養控除は38万円x10人=380万円です。適法なのですが、なにかちょっとおかしいような気がしないでもありません。

扶養控除制度の適正化

かなりオーバーな例だと思われたかもしれませんが、会計検査院が先日まとめた報告書によりますと扶養親族10人というのは決してレアなケースではないようです。中には扶養親族40人(!)という猛者もいたそうです。扶養しているのが事実であればたとえ40人でも良いのでしょうが、そこまでいくとちょっと「ほんまかい!」とつっこみたくなりますね。

現状では扶養控除を受けるにあたり特に添付書類の提出は必要とされておらず、税務調査もどこまで徹底して行われているのかは不明です。しかし今回の会計検査院の報告を受け、財務省では来年度にも控除を受けるための手続きを厳格化する方針を固めたそうです。

しかし、国によっては記録がなくて本当にその人が親族かどうか確認できないというところもありそうですし、記録があったとしても簡単に改ざんできるなんてところもありそうですね。どこまで実効性のある対策が取れるのか注目したいと思います。

酒井税理士事務所代表 酒井 勇(税理士登録 第102393号)

住所: 大阪市西区南堀江1-2-6 サムティ南堀江ビル8階
HP: http://www.sakai-tax.jp/

経歴

昭和44年11月29日生。大阪府堺市出身。神戸市外国語大学中国学科を卒業後、特殊鋼の専門商社に入社する。そこで香港現地法人立ち上げに関わった経験から中小企業の財務会計に興味を持ち税理士資格取得を志す。その後会計事務所勤務を経て平成20年4月に酒井税理士事務所を開業する。“税に関する情報をわかりやすい言葉でお伝えします!"をモットーに、情報を必要とする方に有益な情報を届けることに注力し、現在では多数メディアにも掲載され活躍されておられます。

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