医療費控除という制度はみなさんご存じですよね?簡単に説明しますと、各年において支払った医療費の金額が10万円(注)を超えたら、その超える部分の金額を所得金額から控除できるというものです。
(注)所得金額が200万円未満の方の場合には“所得金額x5%”になります。
ところがこの10万円というハードルはなかなか高く、ちょっと歯医者さんに通ったり風邪で何日か通院したりしたくらいではなかなか10万円を超えることはありません。そこで、こんなものも医療費控除の対象になりますよ、というものをピックアップしてみました。
たとえばレーシック手術。健康保険の適用がないために患者の自己負担額が高額になるのですが、医療費控除の対象にはなります。もっと高額な例をあげますとインプラントの費用も医療費控除OKです。ちょっと変わった例では、寝ている間につけるだけで視力矯正ができる!という「オルケソラトロジー」という特殊なコンタクトレンズがあるそうですが、その購入費用も医療費控除の対象となっています。
ところが通常のコンタクトレンズや眼鏡の購入費用は医療費控除の対象にはなりません。この差はどこからくるのかといいますと、「医師による治療の対価、医師による治療の一環として直接必要な費用」であるか否かで判断されているのです。たしかに眼鏡を買うのは日常生活が不便だからであって、視力を回復させるためではないですからね。
ただし、通常のコンタクトレンズや眼鏡であっても白内障の手術後の機能回復のために医師が作成した処方箋にしたがって購入したものは医療費控除の対象になります。ここでも「医師による治療」の一環であるかどうかが判断基準となっています。
ではタイトルにあげた血圧計の購入費用はどうなると思いますか?一般的には体重計などと同じように日常の健康管理のために買うのでしょうが、その場合にはもちろん医療費控除の対象にはなりません。
しかし、高血圧症の治療を受けている方が医師から「自宅でも血圧を測って管理するように」と指示を受けて購入した場合には、「医師による治療の一環として直接必要な費用」として医療費控除の対象となるのです。該当する患者さんがおられたら是非教えてあげてください。
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昭和44年11月29日生。大阪府堺市出身。神戸市外国語大学中国学科を卒業後、特殊鋼の専門商社に入社する。そこで香港現地法人立ち上げに関わった経験から中小企業の財務会計に興味を持ち税理士資格取得を志す。その後会計事務所勤務を経て平成20年4月に酒井税理士事務所を開業する。“税に関する情報をわかりやすい言葉でお伝えします!"をモットーに、情報を必要とする方に有益な情報を届けることに注力し、現在では多数メディアにも掲載され活躍されておられます。